●「続・知られざる日豪関係」(575)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 三月、日本軍はソロモン群島へと動きはじめた。
 初期の進攻に二、三週間しかかからなかったので今度の動きは予想より少し遅れてはいたが、結局は前回の攻撃よりも恐るべきものとなった。
 鎖状に並んだ群島は、オーストラリア北岸の側面に位置し、アメリカからの補給路に対して、槍のような形で横たわっていた。
 ソロモン群島の制圧は、ニューヘブリデス諸島とニューカレドニア諸島の制圧につづき、ひいてはブリスベーンシドニーへの進出を予告していた。
 エリック・フェルトは部下をそれに応じて展開した。