●「続・知られざる日豪関係」(576)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 彼はソロモン地域には携帶無線機のステーションを八ヵ所開設したが、そのうち六つは直接日本軍の予想進路上にあった。
 ブーゲンビル島に二つ、中部ソロモンに一つ、そして群島第二の島で飛行場適地と見られたガダルカナル島に三つである。
 ガダルカナル島の三ヵ所のうち、アオラに位置したマーティン・クレメンズは島の東半部をカバーするにはもっともよい場所を占めていた。
 そこから一八マイル西方で、北海岸の中間点にあたるベランデにはオーストラリア海軍の主計中尉D・S・マクファランがいた。
 ベランデはバーンズ・フィルブ南太平洋貿易商会所有のゴム農園であった。