●「続・知られざる日豪関係」(577)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 さらにずっと西の方に三人目の監視員であるF・アシュトロン・ローズがいたが、彼はラボロにあるバーンズ会社のコプラ農園支配人だった。
 ずんぐりした体つきで陽気なドン・マクファランは、戦前は雑貨会社の買付人をしていた。
 一九四一年に海軍の予備士官として召集された彼は、偶然に海軍情報部に入って、エリック・フェルトに見出され、ツラギに送られて、その地域の監視組織を作りあげ、海軍とマーチャント行政長官の連絡係として働くことになった。
 一九四二年三月、日本軍がソロモンにやってきたとき、マーチャントは政庁を東方一〇〇マイルのマライタ島アウキに移し、マクファランはフェルトの指令に従ってガダルカナル島に移動した。