●「続・知られざる日豪関係」(580)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 だが、これ以上ぐずぐずしてはおれなかった。
 三月二四日、ドン・マクファランはクレメンズやヘイと一緒にラボロへ行き、大急ぎで無線機を組み立て、アンテナを張った。
 こうして新しい監視員が一人誕生することになった。
 四月に入ると、ガダルカナル島では緊張した空気が高まってきた。
 日本軍はすでに北部ソロモンのブカ、ブーゲンビル、ショートランド島に進出し、ツラギを爆撃していた。
 川西飛行艇だけでなく、陸上基地からの爆撃機隊も来襲するようになり、ツラギにいたオーストラリア空軍の哨戒機は浮足だった。