●「続・知られざる日豪関係」(582)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 四月二一日になってクレメンズは士気低下の問題をきわめてイギリス的な方法で処理した。
 クリケットの試合を開催したのである。
 一方、一八マイル西方のベランデでは、マクファランとヘイが,奥地に設けた秘密の退避拠点へ物資の運びこみを続行していた。
 の一ヵ所であるコイロに隠したものを例にとると,食料が一一〇箱、米が九三袋、灯油二〇〇箱、ベンジンのドラム罐四〇本などで、別の場所には五〇箱のウイスキーが隠匿された。
 この時期になってもマクファランは監視網を拡げようとしていた。
 彼はツラギのオーストラリア空軍が間に合わせに組み立てた予備の無線機をリーフ・シュレ―ダーという老ノルウェー人に与えた。