●「続・知られざる日豪関係」(583)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
彼はガダルカナルとツラギの間にある小島サボ島で商店を開いていた男だった。
別の一台はチョイセル島に住む混血のジョー・マーティンに渡されたが、この男は無線機の使い方がのみこめず,マクファランが行って教えようとしているうちに日本軍の方が先にやってきた。
ラボロでは、日本機のツラギ空襲で時々妨害されたが、白髪のローズが彼の農園を平常どおりに開いていた。
彼は三人の中ではもっとも西側にいたので、通常日本機を最初に発見することができた。
そして、警報はすぐ無線機でツラギの哨戒機基地に送られたが、実のところあまり役には立たなかった。
ツラギのオーストラリア軍には撃ち返す手段もなく、爆弾が落ちて来たら防空壕にはいこむだけだったからである。