●「続・知られざる日豪関係」(584)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 四月二九日、待つだけの日は終った。
 その朝オーストラリア空軍はマクファランに対し、日本の大艦隊がソロモン群島に向って集中しているもようだと通報した。 
 五月一日にはツラギが爆撃された。
 損傷した哨戒機が一機、アオラに曵かれて来たので、クレメンズは何はさておきどうやって双発のカタリナ飛行艇を隠そうかと思案した。
 結局、現住民三〇〇人の力で海岸まで引っぱって行き、椰子の葉で機体をおおった。
 翌二日、ガダルカナル以西の監視員たちは、サンタイサベル島のサウザンド・シップス湾に日本の水上機母艦と護衛の駆逐艦が出現したと報告した。