●「続・知られざる日豪関係」(585)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 そこはツラギからわずか六〇マイルしか離れていない。
 オーストラリア空軍はマクファランに対して、ツラギの哨戒機基地から撤退を開始したこと、オーストラリア軍は敵に使用されないよう物資・装備の一切を破壊していると通報した。
 ベランデではマクファランが、沖合の艦艇の動きから、いよいよゴールドリッジへ移動する時が来たと判断して、農園のトラックに荷物を積み上げ、ヘイが運転して夕方までに道なき道を数マイル奥地に入った。
 バンブ―・クリークに一二人の現住民が待っていて、積荷を背負うとマクファランとともに丘陵地帯につづく曲がりくねった道を上っていった。
 ヘイは一度ベランデに戻って、その後に合流する予定になっていた。