●「続・知られざる日豪関係」(591)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
実際は二隻のうちの一隻だけが輸送船だったが、多数の日本兵が上陸しつつあるという彼の直感は正確であった。
日本軍の進撃は再開されたのである。
計画はツラギと、ニューギニア南岸の要点、ポート・モレスビーの両方を同時に占領するようになっていた。
それは日本にサンゴ海の制海権を与えることを意味した。
そうなれば日本の爆撃機はポート・モレスビーからオーストラリア本土の基地をたたくことが可能になるし、ツラギとその隣接した島々からはニューカレドニア、フィジー、サモアの諸島を征圧し、オーストラリアとアメリカの補給路を遮断することができたであろう。