●「続・知られざる日豪関係」(597)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 彼らのなかではシュレーダーがリングサイドとも言うべき絶好の場所にいた。
 近すぎるぐらいだったと言ってもよい。
 そのため、沈没した日本軍哨戒艇の生き残り乗組員が泳ぎついてきたのだ。
 彼はジャングルにかくれたが,居残った現住民の助手ジョージ・ボギスは、医術の心得があったので、大やけどをした二人の水兵を手当てしてやった。
 そして日本軍が二人を収容に来たとき、代金の支払いを求めたところ逆に逮捕されて、ツラギの監獄に放りこまれてしまった。
 そして処刑するぞと脅かされて、監視員の名前やステーションの所在地点をしゃべってしまった。