●「続・知られざる日豪関係」(606)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 ランジェビアとピュールはアオラに残って現住民の斥候と連絡をとりつづけることになった。 
 その上、ランジェビアは特別な任務を引き受けた。
 パリパオに通じる道の入口一〇〇ヤードばかりに、芋を植えたのである。
 日没までにはトラックの跡はなくなり、だれがその道を通ったか分らなくなってしまった。
 夕方五時半にパリパオについたクレメンズは、万事彼のための準備がととのっていることを知った。
 住居と事務所を兼ねた草ぶき小屋があり、他にもいくつかの小屋が近くに散在していた。
 無線柱はカムフラージュのため、樹頂に椰子の葉がかぶせてあった。
 彼はいそいで無線機を組み立て、ゴールドリッジのマクファラン、ラボロのローズ、マライタの無線センターとの連絡を再開した。