●「続・知られざる日豪関係」(618)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 彼は島に住む全監視員のよき調停役であろうとして、最悪の条件下でも無線機がよく動くよう細心の注意を払っていた。
 その結果ローズやクレメンズの無線機は調子が狂うことが多かったが、マクファランにはそんなことは決して起こらなかった。
 彼の送信機はよく手入れされ、バッテリーはいつも充電してあった。
 マクファランがマライタの中継所でも、フェルトの本部でも、いちばん信頼されていたのはそのためでもあった。
 それに彼が送った情報はもっとも良質で有効なものが多かったのだが、それには幸運も手伝っていた。