●「続・知られざる日豪関係」(631)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
それでもマクファランはためらっていたが、クレメンズと相談して後退移動の準備にかかる。
ゴールドリッジは露出していた上に、三人の新来者が避難してきたのでかえって危険が増したと思われた。
新顔とはF・M・キャンベルと十代の息子ジャックとパットである。
キャンベルは以前地区行政官だった男で、現住民の娘と結婚し、役所をやめたのちコプラ栽培(注: 「copra」は、ココヤシの果実の胚乳を乾燥したもの。
灰白色で約40~65パーセントの良質脂肪分を含む。
主に東南アジア諸国や太平洋諸島で生産され、住民の貴重な現金収入源となっている)を始めたが、今は尾根の真下にある官有地を借りて金鉱を掘っていた。
彼は別の豪胆な個人主義者アンディ・アンドレセンと一緒に、戦争にはお構いなく金鉱探しを続けていた。