●「続・知られざる日豪関係」(632)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 日本軍がルンガ平地に上陸したとき、キャンベルはクレメンズに、
「困った事件だ。健康にも悪いし、金鉱掘りにも差し支える」とこぼした手紙を書いてきた。
 そのうち日本軍の斥候隊が奥地に入りこむようになったのでキャンベルは、息子のジャックに
「金もうけ仕事は中止してゴールドリッジへ行こう」と言い出した。
 アンドレセンの方は自分の家に残ったが、マクファランのために偵察任務を引き受け、時々リッジに来ては新たな情勢について話しあった。
 こうしてゴールドリッジにはマクファランの偵察員やヘイの部下、それにキャンベルが連れて来た約三〇人の現住民を加えて、今や一〇〇人近くの大人数が集まった。