●「続・知られざる日豪関係」(633)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 だが忙しかったのはマクファラン隊だけで、残りの者たちは危険にとり囲まれながらしゃべったり、酒を飲んだり、狩に出たり、射的に興じ、クレメンズが提供した使い古しのトランプでラミー遊びにふけっていた。
 これだけ多人数が何もしないでぶらぶらしていれば、目立つのは当然だろう。
 七月一二日の朝、二機のゼロ式水上機に見つかったのは、おそらくこの連中の一群だったと思われる。
 彼らは機銃掃射を浴びながら大声でゴールドリッジの人々へ森へ逃げこめ、と大声で叫んだ。
 どうやらこの根拠地は発見されてしまったと考えねばならなかった。
 マクファランはすぐに撤退を決め、二時間かかって必死で荷物をまとめ、出発した。
 まず四マイルばかり南に向い、その夜はテントを張った。