●「続・知られざる日豪関係」(634)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
夜が明けると急いで出発し、暗い谷を降り、ジョナパウ山の頂上に向って登り、再び降りてその背後の谷へ入った。
骨の折れる行程で、とくに肥大漢のケン・ヘイには辛かった。
とうとうロープを彼の腰にまきつけ、足場の悪いところをひっぱり上げたり、おろしたりした。
七月一四日、彼らはようやくスタキキという流れの早い川の土手にある未開の集落ボンペデアにたどりついた。
ここに新しいキャンプを移すことにしたのである。
ここだとマクファラン隊と日本軍の間は二つの山脈でさえぎられる。
それで十分だろうし、それでも危くなったら、南海岸へ出られるよい道がある。
キャンベルはマクファランと一緒に住み、ヘイとアンドレセンは近くの入植地へ移った。