●「続・知られざる日豪関係」(636)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 一五日、マクファランタウンズビルのフェルトに、この苦境を詳しく訴える電報を打った。
 ところが打ち返されてきた返事は、景気はよいが意味不明瞭な内容だった。


  ご苦労さまです。情勢は見かけほど悪くない。ひきつづき森にとどまり、キャン
  プから一〇マイル四方内のいかなる地点からも送信すべからず。
  このまま四週間がまんせよ。救助するが指示あるまで海岸に行くべからず。


 さらに、別の無電がメルボルンの海軍本部参謀長から回付されてきた。
 それは「もはや長くはかからない」と元気づけ、アウキの中継本部はクレメンズに対して「すべては最善の方向に向かいつつあり」と約束していた。