●「続・知られざる日豪関係」(637)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


「なにか大計画が進行しているようだ」とマクファランは一九日にクレメンズにあてて嬉しそうな手紙を書いた。
 そして二一日には彼は重ねて書いた。
「ほんの二、三週間のことだ。そうすればいっさいうまくいく・・・・・私の忠告はといえば、ここに来るか、近くでわれわれと連絡を保ちながらがんばり、大計画の日を待つのだ」
 クレメンズには事態は決してバラ色には見えなかった。
 彼の人夫たちは姿を消し、無線機は動かなかった。
 なかでも悪い話は、石本が兵隊を満載した小船に乗ってはじめてアオラに現れたと現住民から聞いたことだった。