●「続・知られざる日豪関係」(639)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 部下の一人が見かねて郵便袋でサンダルをつくってくれた。
 その日の午後おそく、彼らはブチコロというたった四戸の集落に通じるほとんど垂直な岩を登った。
 ここなら大丈夫だと思われたので、彼は一行にキャンプを作れと指示した。
 ひどい土砂降りでラジオは依然動かなかったから、彼はシェイクスピアを読み返して時間をつぶした。
 夕食の代りに、もしこの生活が終ったら最初にとりたいと思うメニューを考えてみた。
 ニュージーランド風のトヘロア・スープ、ニューバーク・ロブスター、グリンピースを添えた家鴨・・・・・
 だが実際には濡れた乾パンを食べて丸くなって眠った。
 一方白髪のローズも困惑していた。