●「続・知られざる日豪関係」(648)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
その結果、酋長たちはとりあえず決定を延期した・・・・・
しかしこの島で何人のペリッセが頑張ってくれるか分からなかった。
八月三日ドン・マクファランは最後の拠点としてクレメンズの隠れ家に合流しようと決心した。
彼の手許には人夫がいなかったのでクレメンズに手紙を書いて、何人でもよいから集めて送ってくれるよう頼んだ。
「困難なことは分っています。
しかしそれをして下さらないと移動ができなくなるかも知れないのです」
しかしこうした憂うつな時にも監視哨の男たちは万難を排してタウンズビルのフェルトやマライタ島アウキの中継本部に対し情報を絶え間なく流し続けていた。
そして本部の方もじっと待っていなさい、というやさしい言葉はかけなくなった。