●「続・知られざる日豪関係」(649)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
八月四日にはアウキから火のつくような要求が送られて来た。
「日本軍駐屯部隊の数、兵種、位置、砲の配置、形式、口径について、信頼できる追加情報を直ちに知らせよ」というのである。
それから三一時間の間にクレメンズは八本の通信を送り、日本軍の宿舎、給食施設、弾薬および燃料庫、塹壕、沿岸防禦砲の配置について偵察員たちがもたらした最新の情報を打ち返した。
マクファランの方は運が悪かった。
五日の午後三時三〇分、彼は暗い気持で「何ら信頼すべき情報なし、現住民の報告は矛盾せるもの多し・・・・・」とだけ報告している。
それから五時間後にすばらしく貴重な情報が入った。
有能なフィジー人のケレメンデはその時ゴールドリッジに帰っていて、自分の偵察員を出していた。