●「続・知られざる日豪関係」(654)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 つづいて監視員の報告と航空偵察で日本軍がすでにアメリカ側が計画していたルンガ平地で飛行場建設を開始している事実を確認した。
 かくて日米双方から貪欲な目をつけられたこの飛行場は突然全作戦の焦点となったのである。
 それが暗号名を<カクタス>と命名されたガダルカナル島にきわめて重要な役割を与えることになった。
 しかしこの島について何か知っている人物はなかなか見つからなかった。
 南太平洋アメリカ軍司令官ロバート・ゴムリー海軍中将が海兵隊第一師団長アーチャ―・ヴァンデグリフト准将へ五週間以内にツラギとガダルカナルに上陸する予定だと知らせたとき、准将はひどくおどろいた。