●「続・知られざる日豪関係」(655)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
彼はその島がどこにあるかさえ知らなかったのである。
七月二二日、海兵隊はニュージーランドのウエリントンを出港したが、必要な作戦準備は手をつけたばかりだった。
師団の一部はまだ入隊さえしていなかったし、装備を全部積むだけの時間もなかった。
スペースが狭いので弾薬は一〇日分しか積みこめなかった。
誰一人ガダルカナルについて知らなかったし、よい地図はなく、届くはずの島の航空写真も輸送の途中で紛失してしまった。
ゴムリー中将がもう少し準備期間を欲しいと抗議したので、キングはしぶしぶ上陸日を八月七日に延期した。