●「続・知られざる日豪関係」(658)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
「外国の海岸に敵前上陸するのは、いつも最困難な作戦の一つであった。
今では殆んど不可能な作戦となっている」
そのころガダルカナル島では日本海軍の門前(もんぜん)鼎大佐がほっとした気分を楽しんでいた。
彼が指揮する第二五七一設営隊(正式の部隊名は第一一設営隊)がわずか一カ月でルンガ平地に飛行場を作るという奇跡をなしとげたからである。
飛行場はほとんど完成していた。
修理所、弾薬庫、立派な診療所、パゴダ風の外観をもった本部ももうできあがっていた。
ただ滑走路の一部の地ならしがすんでいなかっただけだった。