●「続・知られざる日豪関係」(659)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 飛行場の囲りには縦横に道路が走り基地守備に当る四〇〇人の陸戦隊兵舎と通じていた。
 ささやかな祝賀会を開いてもよい時だった。
 八月六日の夕方、門前は酒の特配を命じ、一同の勤勉と愛国心により、飛行機は二、三日中に飛び立てるようになろうと言明した。
 この日島の東部の山の中にいたマーティン・クレメンズは無駄な一日をすごした。
 偵察員のビンギチがルンガからちょうど帰って来たが腹立たしいほど言うことがあいまいだった。
 飛行場はもう使える状態になった、飛行機がいるのも見たと言うかと思うとまだ降りてはいないようだ、と言い直したりして、実態ははっきりしない。