●「続・知られざる日豪関係」(664)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
「すばらしい日だった!」と彼はこの日の日記にペンを走らせ、「戦闘用放送によると、ツラギが占領され、一二〇五海兵隊がガブツ島に上陸したという。やったぞ!」と書きとどめた。
侵攻部隊をひきいたアメリカ軍指揮官たちにとって、こんなにやすやすとことが運ぶとは信じられないほどであった。
彼らは日本軍を完全に奇襲したのであった。
戦闘らしい戦闘もないうちに昼が近づきつつあった。
戦争ではよく起こることだが、その後に展開した経過は予想と全く異っていた。
予想では、ガダルカナルの守りが固く、ツラギは簡単だとされていたが、実際は逆であった。