●「続・知られざる日豪関係」(666)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 だが、彼らはすぐに立ち直って反撃を試みた。
 ニューギニアを爆撃する予定で準備中の海軍航空隊が、目標を変えてガダルカナル沖の連合軍艦船攻撃に向う。
 潜水艦の全力をソロモン群島海域に集中する。
 陸戦隊をのせた輸送船一隻を急いで送りこむ、そして三川長官は集められるだけの軍艦 ── カピエンにいた重巡洋艦五隻、ラバウルにいた軽巡洋艦二隻と駆逐艦一隻をひきいてなぐりこむ ── というのが日本軍の反撃計画であった。
 九時三〇分、一七機のゼロ戦を従えた二七機の双発爆撃機(一式陸攻)がラバウルの二つの飛行場から離陸、編隊を組んで南東に向った。
 それはブーゲンビル島南岸を経てガダルカナルへ一直線で向う最短コースだった。