●「続・知られざる日豪関係」(668)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 メイスンはほかにも沿岸監視員の仕事をするのにぴったりの才能に恵まれていた。
 通信機の修理と操作のエキスパートだったからである。
 また彼はブーゲンビル東岸のイヌス農園の管理人として土地と現住民の両方をよく知っていた。
 彼は戦争が始まった直後に沿岸監視員の任務を志願したのだが、エリック・フェルトはすぐに彼の資質を見抜いてメンバーに引き入れた。
 南部にメイスンを置き、北部に地区副行政官のジャック・リードを配置することによってブーゲンビルの全島は、ほぼカバーされた。
 二人の監視員はさらにブカ島にある未完成の飛行場を守っていたオーストラリア軍部隊のために、連絡任務も引き受けていた。