●「続・知られざる日豪関係」(669)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 ブカ島に日本軍が上陸したのち、この部隊はマッキー大尉の指揮でブーゲンビル島の奥地を小偵察隊として活動していたのである。
 最初のころはとくに事件はなかった。
 メイスンはキエタの町の背後にひそみ、マッキー配下の四人と一緒に動いていたが、三月三一日、日本軍がキエタを爆撃したのを機会に隊員たちが北のマッキーのキャンプに引き揚げたので、数日間メイスンは二人の現住民と留守番役に当っていた。
 四月一〇日頃、マッキーの隊員四人がメイスンのところへやって来た。
 彼らは南岸にあるブインの駐屯地から、日本軍の偵察隊に追われて後退したのだった。