●「続・知られざる日豪関係」(672)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 それに飛行士たちはよろこんで物資投下に飛んでくれたが、こういう仕事には未経験だったため、最初の投下物資は目標から七〇マイルも外れた。
 メイスンは自転車を現住民から借りて近くまで行き、そのあとは歩いて落下地点まで行ったが何も発見できなかった。
 無駄足をしてしまい七〇マイル戻らねばならなかった。
 そのうち空軍の腕も向上し、ブインは食料だけでなくいろいろな物資を受けとれるようになったが、その中には下士官の制帽とメイスンが海軍の一員となったことを証明するバッジがふくまれていた。
 七月に入るとフェルトは突然彼らに対して、奥地へ移動して身をひそめ、指示があるまで無線封止するよう指令した。