●「続・知られざる日豪関係」(673)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 それは何かの大計画のために彼らが待機させられたことを暗示していた。
 同時に、日本の無線傍受を混乱させるためフェルトはメイスンに新しいコールサインを与えた。
 放送の最初に、彼の姉妹が結婚して変えた新しい姓の最初の三文字を使うことになった。
 該当するのはニューブリテン島の入植者に嫁いだジョン・ストーキー夫人しかいなかったから、その時からメイスンの呼び出し符号はSTOとなった。
 八月五日、海岸の方へ戻り、南東方面での敵の動静を何でも報告せよとの指示を受けとった。
 スピードが不可欠である。
 たとえそのために日本軍がききとりやすくなるとしても、明確な報告が必要だと思われた。