「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
アメリカ軍としてはあらゆる利点を活用する必要があった。
グラマンは優秀な戦闘機ではあったが、伝えられるゼロ戦の高性能に太刀打ちできるか疑問があった。
ルンガ沖の船団は物資の積みおろしを中止し、護衛艦の甲板では高射砲手が砲側について待ちかまえていた。
午後一時一五分、日本の爆撃隊がサボ島の西方上空に来た時、迎撃戦闘機隊の指揮官から、「突撃」が下令された。
爆撃機は堂々としたV字型の編隊を組んで飛行していた。
その後上方にはゼロ戦隊がぴったりとついて護衛していた。