●「続・知られざる日豪関係」(677)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 一時二〇分グラマンは日本の爆撃隊に攻撃を開始、二分後に水上艦も対空射撃の砲門を開いた。
 日本機はあちこちで煙の尾を引きながら墜落していく。
 生き残りが爆撃に移ったが、動揺していたのか爆撃の精度はでたらめだった。
「まず下手くそな爆撃だった」と、巡洋艦オーストラリアの艦長ファーンコム大佐は冷淡に批評している。
 それから一時間後に九機の急降下爆撃機が来襲して駆逐艦マグフォードに損害を与えたが、上空警戒の戦闘機がすぐに追い払った。
 ポール・メイスンのタイミングよい警告のおかげで、日本空軍は少くも一六機を失ったのである。