●「続・知られざる日豪関係」(681)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 一九四二年一月二三日、最初の爆撃を受けたのち、リードは露出したソハノの拠点を、アラビア背後の丘陵地に移した。
 その直後に島の首都キエタに行ってみると、ヨーロッパ系の居留民は大急ぎで逃げ出したあとで、現住民が町を略奪していた。
 リードは秩序を回復し往復の途中で農園や伝道団体を点検しながらアラビアに帰った。
 近くにはマッキー大尉のゲリラ隊が駐屯していたが、彼らの通信機がだめになったのでリードはその分も引き受けてやった。
 三月三一日、日本軍はブカ水道に上陸してきた。
 たまたま数人の部下を連れてブカ島の前哨基地を訪れていたマッキーは孤立して帰れなくなった。