●「続・知られざる日豪関係」(685)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 これというあてもなくダイヤルを七メガサイクル周波に合わせた。
 そこでは時々おもしろい航空機の通信をきくことができた。
 するとアメリカの艦載機パイロットが母艦との間でとりかわすおしゃべりが聞こえてきた。
 彼らはしきりにツラギとガダルカナルにある地名についてやりとりしていた。
ビッグ・ショー”が進行していることが明らかだった。
 実際ツラギは占領されていたのだ。
 リードは無線機に目をすえたまま、まわりに群がる現住民たちにこのニュースを伝えた。
 そのときヤウイカ巡査長は別の物音に気づいた ── 単調な振動音は刻々と大きくなってきた。