●「続・知られざる日豪関係」(686)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 飛行機だ。
 多数の飛行機が北西から近づいて来る。
 その方角はよく見えなかったので、興奮した何人かの現住民は木によじ登った。
 しかし数秒後に飛行機はだれの目にもはっきりと見えるようになった。
 日本の爆撃機の大編隊がジャングルの切れ目の上をわずか数百フィートの高度で飛んで行く。
 第二陣がすぐあとに続いた。
 リードが数え始めたとき、赤い日の丸と陽光にきらめくプロペラが目に焼きつくかのようだった。
 彼は無線機のダイヤルをX周波数に合わせ、ポート・モレスビーを呼んだ。