●「続・知られざる日豪関係」(688)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 可動の全戦闘機がスロットに向って飛び立ち、母艦上空の直衛機は妨害のためサボ島西方を旋回しつつ待ちかまえた。
 だがアメリカ軍は日本側の陽動戦術にひっかかった。
 彼らはスロットをまっすぐ下らず、フロリダ島の北からまわりこみ、東方から襲撃してきたのである。 
 彼らは待機したグラマン戦闘機ばかりでなく、艦隊のレーダー操作員をもトリックにかけたのであった。
 最初に発見した巡洋艦オーストラリアは、二三機の雷撃機が正午ごろ東から超低空で近よってくるのを見た。
 その雷撃機は海面すれすれで、なかには海面上二、三〇フィートで、一直線に輸送団へ突進してきた機もあった。