●「続・知られざる日豪関係」(690)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 しかし運動している船は狙いにくく、爆弾は全部外れてしまった。
 一機は絶望的に輸送船エリオットに体当りして炎上させた。
 一〇分間ですべては終った。
 そこここによろめきながら帰還しようとする日本機が残っていたが、彼らもまた無事にはすまなかった。
 初めははぐれていたグラマン戦闘機が戻ってきて、生き残りの日本機に突撃してきたのである。
 彼らがブーゲンビルのリードの頭上を再度通過したのは午後二時過ぎであった。
 往航の時は多すぎて全機数を数えそこねたが、今度は楽だった。
 わずか八機に減っていたからである。