●「続・知られざる日豪関係」(693)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 フレッチャー提督が戦闘機の損失を案じて、空母部隊をただちに引き揚げる決意をしたので、その対策を練るためであった。
 それは海兵隊にとってはなはだ困ったニュースだった。
 そうなれば貨物船と輸送船は荷揚げをすまさないうちに引き揚げることになるかも知れなかった。
 そして朝のうちに連合軍偵察機ブーゲンビル島東岸沖で発見した日本の艦隊について討議が交わされた。
 艦隊には二隻の水上機母艦がふくまれていたというので、日本軍はおそらくサンタイサベル島のレカタ湾に向い、そこに水上機用の基地を設定しようとしているものと推定された。
 会議は夜一一時五五分に終り、ヴァンデグリフト将軍は機雷敷設艦サウスモアに乗って補給状況を調査するためツラギに向うことになった。