●「続・知られざる日豪関係」(699)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 マクファラン同様、彼も監視員の一人としてオーストラリア海軍のために働いてはいたが、同時に地区行政官であり、島でただ一人のイギリス官吏だという立場があって、その任務にふさわ場所にいるべきだと思われた。
 その点からすると、今かくれている場所は激動しつつある戦局の中心からあまりにも離れすぎていて、全般の状況が分らなかった。
「荒れ野の小鳥のようにここに座っているのは、余りに中途半端というものだ」と彼は一三日にケン・ヘイにあてて書いている。
 その日の午後遅くなって、彼は自然な解決法に出会う。