「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
というのは、ちりぢりになった日本軍がうろついていて、彼らと出会うのをさけるため慎重に歩いたからである。
しかし海岸についてもまだ安心できなかった。
彼は今まででもっとも大きな危険 ── 何かといえばすぐ撃ちたがる海兵隊の哨兵たちを突破する必要があった。
彼は身分証明書もなく、合い言葉も知らされていなかった。
いちばんよい方法は、できるだけスマートに見せることだ、と彼は決心した。
海兵隊は日本人がこうしたやり方で近づくとは思わないだろう。