●「続・知られざる日豪関係」(709)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 マッケンジーはもう一人海軍から助手を連れて来た。
 その男は熟練した通信専門の民間人でヘンリー・レイマンというニューアイルランド島からの逃亡現住民であった。彼はビラでマッケンジーに合流したのだが、レイマンは優秀な助手で、このコンビはきわめてよい取り合わせだった。
 彼らは上陸後二、三分で、ガダルカナルの切迫した雰囲気を味わった。
 黒い肌のレイマンが、合い言葉の<リリパット人>(『ガリバー旅行記』に出てくる小人国の住人)をうまく発音できなかったので、海兵隊の哨兵は銃剣で突き刺そうとしたほであった。
 翌朝マッケンジーは無線機を設置する適当な場所を探しに出かけた。