●「続・知られざる日豪関係」(710)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 よい場所はすでに取られていたが、ついに彼は誰も敬遠する場所 ── 飛行場の真北に日本軍が作った待避壕を発見した。
 そこは明らかに、敵が侵入してくる時は最初に攻撃されるのが明らかな地点だった。
 その待避壕はきわめて狭く奥行きは五〇フィートだったが、深さは五フィートしかなかったから背を伸ばして歩くのはむりであった。
 両側には出っぱりがやわらかい黒土に切り込んでいて、腰かけたり、貴重な無線機などの装備品をしまっておくのに使われた。
 屋根はココナツの丸太で、日本軍の袋でおおってあったが、マッケンジーはすぐに雨漏りを発見した。