●「続・知られざる日豪関係」(716)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
彼は危急に際して手腕をふるいたちまち偵察網に欠かせない人物となった。
連合軍の上陸後、ヴォーザは海兵隊に参加したが誇らしげにユニオン・ジャックの腕章をつけて依然クレメンズの指揮下で働いていた。
一九日に出発したヴォーザは、偵察隊を南に向け、ついで東に迂回して海岸まで北上するコースを取った。
彼はある海兵隊員が記念にくれた小さなアメリカ国旗を持っていたが、もし日本軍に出会ったときそんなものを持っていたら危険だと思った。
そこで一人わき道にそれてボロナヴアに向いそれを家の中に隠して部下に追いつくつもりだった。