●「続・知られざる日豪関係」(717)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 ところがヴォーザは家に帰る途中でいきなり日本軍の偵察隊と出会ってしまった。
 彼らは問題の旗を見つけ、尋問のためヴォーザをタネバツの集落に連れて行った。
 ここで石本が現われ、アメリカ軍の兵力と配置について尋問を始めた。
 ヴォーザが首を振ると、見張りが彼を木にしばりつけ、ライフルの台尻でなぐった。
 それでも黙っていると、彼らは銃剣で胸を突き、一人の将校が軍刀でヴォーザののどに切りつけた。
 しかしまたも無言。
 あきらめて日本兵は彼を木にしばりつけたまま死ぬにまかせ立ち去った。
 もう暗くなりかけていたし、彼らにはより重要な任務が待っていたのだ。