●「続・知られざる日豪関係」(718)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 日本軍の目標はまさしくヘンダーソン飛行場の奪還であった。
 兵力は一個連帯の約三分の一に当る前進梯団だけが上陸していたのだが、隊長の一木清直大佐は、それだけの兵力でも大丈夫と考えていた。
 一木は八〇〇人の精兵を率いて東から海岸沿いに飛行場へ接近し、アメリカ軍を奇襲しようと計画していた。
 ヴォーザを捕えたのは、最前方を進む偵察隊の一つだった。
 別の偵察隊は不運にも海兵隊分遣隊の待ち伏せにあった。
 ヴァンデグリフトは進行中の事態について必要な情報を得ることができた。
 彼はすぐに防衛態勢を整えて日本軍の進撃に備えたが、翌八月二〇日の日没頃思いがけない増援隊がやってきた。