●「続・知られざる日豪関係」(719)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 空母から一二機の急降下爆撃機と一九機の戦闘機がヘンダーソン飛行場に着陸したのである。
 二一日午前一時三〇分頃、輝く緑色の炎が日本軍攻撃の開始を告げた。
 ルンガ待避壕でクレメンズは激戦の騒音を聞き、時々中空を走る曳光弾を見守っていた。
 砲撃がまだ続いている七時少し前に彼は前線で戦っていたエドウィン・ポラック中佐の部隊から緊急電話を受けた。
 重傷を負った現住民がたどりついて来てクレメンズを呼んでいるというのだ。
 彼はジープにとび乗り、ダニエル・ピュールを連れて現場へ急いだ。
 それはヴォーザだった。