●「続・知られざる日豪関係」(728)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 彼はそれを直通電話で飛行場の真北にある風変わりな“パゴダ”風の航空管制班の建物へ送り、そこからD-2を経由して交換台から防空部隊へ伝えられた。
 リードの警報には通常約二時間の猶予があったが、ガダルカナルについたあと各方面への連絡に手間取り、飛行士たちが警報を受けて滑走路に集まり、迎撃態勢を固めるのに意外な時間がかかった。
 日本機の来襲まであと五〇分となった時、警戒旗がパゴダの上にあがり、サイレンが鳴り、戦闘機が離陸する。
 そのあとで急降下爆撃機と陸軍戦闘機のP-四〇〇型(性能的にゼロ戦と戦うにはほとんど役に立たなかったが)も離陸するが、彼らの任務は爆撃の損害から待避するということだった。