●「続・知られざる日豪関係」(731)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
だからジャック・リードは依然としてかけがえのない秘密兵器だったのである。
その間も海上では”東京急行”が走りつづけ、川口少将の兵力は六〇〇〇人に達しようとしていた。
九月一二日、日本軍の反撃準備は終った。
その夜ヘンダーソン飛行場の真南で赤い信号弾が打ちあげられた。
攻撃は東、西、南の三方から一斉に始まった。
しかし川口少将はジャングルの複雑な地形を計算に入れるのを怠っていた。
それが精密なタイミングを不可能とし、結果として惨敗に終るダラダラした攻撃になってしまった。
メリット・エドスン中佐の第一海兵突撃大隊は”血染めの丘”を死守して、終夜の激戦ののち川口は全線にわたって撃退された。