「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
二日間の戦闘で、海兵隊の死傷者一四三人に対して、川口は一二〇〇人以上を失う打撃を受けたのである。
かくてアメリカ軍の橋頭堡は確保された。
海兵隊はヘンダーソン飛行場の奪還をめざした日本軍の二度目の攻撃を撃破し、彼らを島から追い払った。
だが、海兵隊は酷使されて疲労を重ね、兵器、弾薬も欠乏していたので、優勢を保つわけには行かなかった。
逆説的にいえば、勝者の方が閉じこめられ、敗者の方が戦局を支配しようとしていたのである。
不快な手詰まり状態がつづく。