●「続・知られざる日豪関係」(732)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 二日間の戦闘で、海兵隊の死傷者一四三人に対して、川口は一二〇〇人以上を失う打撃を受けたのである。
 かくてアメリカ軍の橋頭堡は確保された。
 海兵隊ヘンダーソン飛行場の奪還をめざした日本軍の二度目の攻撃を撃破し、彼らを島から追い払った。
 だが、海兵隊は酷使されて疲労を重ね、兵器、弾薬も欠乏していたので、優勢を保つわけには行かなかった。
 逆説的にいえば、勝者の方が閉じこめられ、敗者の方が戦局を支配しようとしていたのである。
 不快な手詰まり状態がつづく。